「独断専行」の意味・語源・由来
- 四字熟語:独断専行
- 読み方:どくだんせんこう
意味
「独断専行」とは、他人の意見を聞かず、自分ひとりの判断だけで物事を進めることを意味します。
組織や集団の中において、協議や合意を経ず、自己判断で勝手に行動することを批判的に表す言葉として使われることが多いです。
語源・由来
- 独断:自分ひとりで判断すること。
- 専行:自分勝手に行動すること(擅行=勝手にふるまうことと同義)。
「独断」には、中国の古典『韓非子』において「能く独断する者は、天下の主と為るべし」と記されるように、かつては主体的で優れた判断力を持つ人物への称賛表現として用いられていました。
しかし、近代以降は、英語の「ドグマ(dogma)」=独善的な信念や方針の訳語として使われるようになり、ネガティブな意味合いでの使用が定着しました。
「独断専行」の使い方(例文)
- 会議での合意も得ずに契約を進めるとは、まさに独断専行だ。
- 上司の命令に従わず独断専行したことが問題視されている。
- 非常時には、ある程度の独断専行が求められる場面もある。
- 彼の独断専行なやり方には、現場から不満の声が上がっている。
- 組織として動いている以上、独断専行は慎むべきだ。
注意! 間違った使い方、間違いやすい読み方
誤解されやすいポイント
現代では「独断専行=悪」と捉えられがちですが、本来の意味は「現場の責任ある判断による行動」であり、必ずしも否定されるべきものではありません。
本来の意味
軍事的背景をもつこの言葉は、緊急時や連絡手段が断たれた場面などで、上司の命令を待たずに現場判断で迅速に行動することを指していました。
この「独断専行」が正当とされるためには、以下のような条件があります。
独断専行が正当とされる条件(軍事・指揮官の視点)
- 上官の意図を正しく理解している
- 緊急性が高く、命令を待つ時間的余裕がない
- 事後に速やかな報告・説明を行う
- 責任を自ら取る覚悟がある
こうした条件下での独断専行は、むしろ推奨される判断力・行動力の表れともなります。
「独断専行」の類義語
- 横暴(おうぼう):他人の意見を無視して強引に物事を行うこと
- 専横(せんおう):権力をふるって他人を顧みないふるまい
- 我田引水(がでんいんすい):自分に都合の良いように行動すること
- 独善(どくぜん):他人の意見を無視し、自分が正しいと思い込むこと
「独断専行」の対義語
- 協調(きょうちょう):他人と歩調を合わせて物事を進めること
- 合議(ごうぎ):関係者で話し合って決定すること
- 協議(きょうぎ):互いに相談し合って決めること
- コンセンサス(consensus):意見の一致・合意形成
現代における使われ方と誤用の危険
企業や政治の現場では、「独断専行」がしばしば批判の文脈で登場します。
例:「現場の独断専行があった」「前市長は独断専行的だった」
しかしこのような使われ方の多くは、実際には「恣意的行動」や「ルール違反」「監視不足」のことを指しており、本来の「独断専行」とは意味が異なります。
そのため、安易に「独断専行」という言葉で批判すると、意味を誤解したまま定着させてしまう危険性もあるのです。
「独断専行」に類似した英語表現
Act on one’s own initiative
直訳:自らの判断で行動する
意味:上司の命令を待たずに、自発的に動くこと
例文:
He acted on his own initiative to resolve the issue.
(彼は問題を解決するために、独断専行で行動した。)
Take matters into one’s own hands
直訳:自分の手で問題を解決する
意味:他人に任せず、自分で事態に対処すること
例文:
When the team failed to respond, she took matters into her own hands.
(チームが反応しなかったため、彼女は独断専行で動いた。)
まとめ
「独断専行」とは、自分だけの判断で物事を進めることを指す四字熟語です。
現在では否定的な意味で使われることが多いものの、本来は責任ある現場判断による行動を意味しており、状況によっては必要かつ称賛される行為でもあります。
言葉の本質を正しく理解し、場面に応じて適切に使いましょう。


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