「単刀直入」の意味・語源・由来
- 四字熟語:単刀直入
- 読み方:たんとうちょくにゅう
意味
「単刀直入」とは、遠回しな表現をせずに、前置きなしで直接本題に入ることを表す四字熟語です。
一本の刀を持ち、一人で敵陣に切り込むことを由来とし、話や行動が直接的であることを表します。
語源・由来
「単刀直入」は、中国・宋の時代の書物 『景得伝灯録(けいとくでんとうろく)』 に由来します。
「単刀」… 一本の刀だけを持つこと。
「直入」… まっすぐに突入すること。
本来は、「一振りの刀を持ち、一人で敵陣に突入する」 という戦場での勇敢な行動を指していましたが、転じて「前置きを省いて本題に入ること」という意味になりました。
また、仏教の書物 『五灯会元(ごとうえげん)』 にも「単刀直入」という表現が見られ、余計なものを排して真理に至る という意味で使われていました。
「単刀直入」の使い方(例文)
- 単刀直入に申し上げますが、この案は採用できません。
- 彼は単刀直入に「その計画は無理だ」と言った。
- 時間がないので、単刀直入に意見をお聞かせください。
- 交渉では、単刀直入に要件を伝えたほうが効果的だ。
- 彼女の話し方は単刀直入で、回りくどい説明はしない。
注意! 間違った使い方、間違いやすい読み方
✕ 「短刀直入」(誤字、「単刀」が正しい)
✕ 「たんたんちょくにゅう」(誤読、「たんとうちょくにゅう」が正しい)
「単刀」を「短刀(短い刀)」と書くのは誤りです。「単刀」は「一振りの刀」を意味し、「短刀」は刃渡りの短い刀のことなので、意味が異なります。
「単刀直入」の文学作品、小説などの使用例
分の顔の鼻の位置がまるで空地になっていることを想い出したのである。眼からは涙がにじみ出した。そこで彼は、くだんの紳士に向かって、お前は五等官の贋物だ、お前はペテン師で悪党だ、お前は俺の鼻以外の何者でもないのだと、単刀直入に言ってやろうと心を取り直した……。が、鼻はもう、そこにはいなかった。また誰かのところへ挨拶をしに、まんまと擦りぬけて行ってしまったのだろう。(『鼻』ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳)
「単刀直入」の類義語
- 率直(そっちょく)… 隠し事をせずに正直に話すこと。
- ストレート… 直接的で回りくどくないこと。
- 歯に衣着せぬ(はにきぬきせぬ)… 遠慮せずに率直にものを言うこと。
- 端的(たんてき)… 要点をはっきりと述べること。
「単刀直入」の対義語
- 遠回し(とおまわし)… 直接的ではなく、婉曲に表現すること。
- オブラートに包む… きつい表現を和らげて伝えること。
- 婉曲的(えんきょくてき)… 直接的ではなく、やんわりと表現すること。
使用上の注意点
「単刀直入」は、遠回しな言い方をせずに率直に意見を述べること を表しますが、ビジネスやフォーマルな場面では、失礼にならないように敬語やクッション言葉を添えるのが望ましいです。
✕ 「単刀直入に言うと、これはダメです。」(ストレートすぎて失礼)
〇 「恐れ入りますが、単刀直入に申し上げますと、これは難しいです。」(丁寧な表現)
また、単刀直入すぎる表現は、場合によっては冷たく感じられることもあるため、場面に応じた言葉選びが重要です。
「単刀直入」に類似した英語表現
Get straight to the point.
直訳: 要点にまっすぐ向かう。
意味: 回りくどい言い方をせずに、本題に入ること。
Let me get straight to the point.
(単刀直入に申し上げます。)
Cut to the chase.
直訳: 追跡シーンに飛ぶ。
意味: 遠回しな話をせず、核心に触れること。
We don’t have much time, so let’s cut to the chase.
(時間がないので、単刀直入に行こう。)
Speak plainly.
直訳: はっきりと話す。
意味: 回りくどい言い方をせず、直接的に話すこと。
まとめ
「単刀直入」は、遠回しな表現をせずに、直接本題に入ること を意味する四字熟語です。語源は「一本の刀を持って敵陣に切り込む」という戦闘のイメージから来ています。
類義語には「率直」「歯に衣着せぬ」、対義語には「遠回し」「オブラートに包む」などがあり、英語では “Get straight to the point” や “Cut to the chase” が類似の表現として使われます。
ただし、ビジネスやフォーマルな場面では、単刀直入な言い方が冷たく聞こえたり失礼に思われたりすることがあるため、敬語やクッション言葉を加えて使うことが重要です。
適切な場面で「単刀直入」を活用し、明確で分かりやすいコミュニケーションを心がけましょう!


コメント